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違いが分かりにくい「関わる」と「係わる」。
「関わる」と「係わる」の違いを知らないと、つい間違った使い方をしてしまっているかもしれません。
今回は「関わる」と「係わる」の違いについてご紹介します。
「関わる」と「係わる」の意味
どちらも同じかかわるという読み方の「関わる」と「係わる」。
まず「関わる」の関という漢字と「係わる」の係という漢字の意味を見てみましょう。
関わるの「関」の意味
せき。せきしょ。国境や交通の要所に設置して通行人を調べるところ。
かんぬき。門の戸をしめる横木。
とざす。しめる。ふさぐ。
からくり。しかけ。しくみ。
かかわる。あずかる。関係する。
係わるの「係」の意味
かかる。かかわる。関係する。関与する。
かかる。かける。つなぐ。むすぶ。
かかり。受けもち。担当。担当者。
「関わる」と「係わる」の違い
「関わる」と「係わる」の違いを知るために漢字の意味をから考察を。
と思ったのですが、「関わる」の意味(かかわる。あずかる。関係する。)と「係わる」の意味(かかる。かかわる。関係する。関与する。)には特に違いがないんです。
かかわりを表す”関係”という言葉からも、「関わる」と「係わる」が同じような意味を持ち、あまり違いがないことを表していますね。
ただ、細かいニュアンスとしては「関わる」の方が関係する両者の結びつきが強く、「係わる」は一方通行で弱い意味があるように感じています。
例えば「子供の人間性には親や家庭環境が大きく関わることが研究結果から見ても明らかだ。」という場合。
この「関わる」を「係わる」に置き換えると違和感を感じるのです。
親子の関係は強いので、「係わる」とした場合はなんだか関係性が弱い印象を受けるんですね。
「関わる」の関という漢字には玄関などの出入り口を意味することから、出入り口を閉じる→出入り口が開かないようにつなぎとめる→構造的につながるという意味になりました。
「係わる」の係という漢字は「人」と「お祈り儀式で用いる飾りの紐」から成る漢字で、結ぶという意味合いを持ちます。
このことから、「関わる」が構造的にかかわるのに対して「係わる」は結びつくという違いがあるのです。
「関わる」と「係わる」を公用文で使う場合
「関わる」と「係わる」はどちらも良く使う漢字ですよね。
でも、実は「関わる」と「係わる」はどちらも常用漢字になっていないんです。
だから公用文には使えないということですね。
公用文では「かかわる」とひらがなで書くのが正しい表記。
常用漢字にない言葉を公用文で使う場合はひらがなで書くのが鉄則なのです。
以上、「関わる」と「係わる」の違いについてご紹介しました。
大きな違いが無い「関わる」と「係わる」は大抵のケースでどちらを使っても大丈夫なので、あまり気にしないで好きな方を使いましょう。